消えたい は 消えない

鬱 うつ 病のリハビリのような 意味のあるような無いような

DAY 62

毎回毎回、 バイタルチェックの度に聞かれる 排便確認。 徐々に、 日に日に、 便の回数は減り、 便秘は完成した。 ほぼ100%の人がなるらしい。 精神科の閉鎖病棟の「トイレ」は 色々問題がある。 手洗い洗面台の下に ずっとしゃがみ込んでいる人がいたり…

DAY 61

外部と通信出来る物は 一切認められない。 なのでスマホが無い。 そして 差し入れでもらった 紙とペン。 …と文字練習帳。 日々書く、書く、書く。 どこか 精神的安定を祈るように 書く、書く、書く。 余計なことを考えないように 過ごすには 書くのは良いの…

DAY 60

お見舞いは 原則、家族しか許されない。 まぁ、精神科の閉鎖病棟は そういうものだろう。 私は外界を知らずに 救急車で運ばれて入った為、 どうやって病院にアクセスするのかを 知らない。 だから、 身内がどうやって来るのか。 来るのが大変なのか。 時間が…

DAY 59

たくさんの薬がある。 先発医薬品、後発医薬品、 同じ内容でも 出す会社で名前がバラバラもある。 血中濃度によって 効果が変わる、 効果が出るものもある。 つまり、 一定期間をキッチリ飲んで 血液中にどれだけ含まれたか それで初めて「効いてる、効いて…

DAY 58

精神科に通う前から、 ネットで調べた知識で ネットで買えるところを見つけ 薬を手に入れていた。 (違法では無く) そして 最初の病院には あまり通うこと無く終わり、 ますます色々購入しては 飲み試す日々を送った。 もちろん、 コーヒー、カフェイン錠剤…

DAY 57

結局、 脳が壊れた時、 心が壊れた時、 どんな名医に診察されても どんな病院に入院しても 規則正しい時間に起き、 規則正しい時間に眠り、 規則正しく食事を取り、 規則正しく薬を飲む。 これに 自分という肉体をはめ込んで その変化を待つことしか 出来な…

DAY 56

通常の病院みたいに 個別のカーテンは無かった。 きっと、ある所はあるのだろうが…。 この部屋は 3人が限界の部屋で 追加の人はずっと入らず、 同室の人はとても静かだったので、 この部屋は一日中無音だった。 規則正しい時間に起き、 規則正しい時間に眠…

DAY 55

なんとなく、 入院当初に比べて 普通に扱われている…と言うか、 危ない状態では無いと判断されて 接してもらっている気がしていた。 そもそも、 双極性障害の二型 (躁と鬱、上がったり下がったり)から、 がっつり鬱になって 全く上がらない状態の人間だっ…

DAY 54

私が居た病棟は 年齢も性別も様々で 偏りが無かった。 病名は分からない。 ただ、 「どう見ても普通」で 何でここに居るのだろうか、、、 と思う人は多かった。 そして 私もまた、その類であり 挙動も普通 会話も普通 発狂もしない 暴れもしない そういう人…

DAY 53

読む本はある。 読む時間もある。 が、 読む集中力が続かない。 妙な焦燥感に包まれる。 身体のイラつき…のような、 心のイラつき…のような、 何とも言えない感覚。 頓服薬として出されていた、 気分を落ち着かせる系の薬を 頻繁にもらいに行き、 ついに通常…

DAY 52

窓はあっても外は見えない。 5cmほど開けられるけれど、 何もわからない。 介護士スタッフさんが 「何か売店で買ってきますか?」 と声掛けをしてくれる。 でも、売店を知らない。 どんな物が売っているのか 口頭で伝えてもらうだけ。 (売店を見てみたい…

DAY 51

精神病 精神科は、 主治医探しが テーマと言ってもいい気がする。 他の病気の セカンドオピニオン以上に たくさん必要かもしれない。 半分、 性格診断や占いをされているようなものだ。 人によって見方、考え方、治療方針が 違い過ぎる気がする。 そして、 …

DAY 50

薬の効果確認のタイミング… ぐらいしか 主治医はやっては来なかった。 出入口が鉄の扉で塞がれている病棟である。 なんだかさらに疎外感が増す。 主治医に頼る感じ…は最初はあった。 けれど、 だんだんと薄れ、 不信感へと変わる。 かと言って 誰に頼れるわ…

DAY 49

薬は 飲んで試して、 二週間は様子を見られる… の繰り返しで 合う薬と症状を判断している感じだった。 怪我や内臓系疾患と違って、 精神病は 見た目で分かる症状や、患者自身からの話、 心理検査などで判断しないといけないわけで 医者側もシンドイと思う。 …

DAY 48

食後、寝る前、薬を飲む。 個室を出てからは ナースステーションに 薬をもらって飲みに 直接行く。 名前を伝え、薬と照合、声かけ確認、 飲んだところを 目視で確認されないとダメなわけだ。 ナースステーションに 薬の為の行列が出来る。 精神を病んだ人の…

DAY 47

消灯は21時。 起床…と言うか 朝の点灯は6時。 規則正しい時間で生きることは もう何年も無かったが故に 病気の発症にも繋がったのだろう。 この入院をキッカケにして 今現在も規則正しい時間を とりあえず守れてはいる。 21時に真っ暗になり、 眠りにつ…

DAY 46

談話室に 本が置いてあることは 気付いていた。 食事を取りに行く時に 見つけていた。 テレビもあるし、 日々の新聞もあったが 「今は、死んで知らないはずの日々」 という意識が かなり強くて、 どこか知らない世界に居る感覚だった。 だから、 外の世界を …

DAY 45

毎朝行われる、 バイタルチェック。 体温と脈拍、 そして便通の回数。 この、 便の回数を聞かれることが のちのち、とても良く分かることになる。 入院して まだ日が浅いうちは 全く気にも留めていなかったのだが、、、

DAY 44

今日現在、 退院後に通ってる メンタルクリニックに行き、 その帰りの車内で 元マラソン選手の万引での 判決後の記者会見映像を見た。 「窃盗症」 とても理解されにくい、 難しい精神病だと思う。 それは薬物やギャンブルなどの 中毒症に属する類いなのだろ…

DAY 43

誰とも話さず、 ただベッドの上の生活を 何も無かった生活を 克明に思い出せるのは 何故だろう 自分の姿が見えたことなど無いのに あの部屋に居る自分を映した 映像が浮かび上がるのは 何故だろう 精神科病棟に居た時間は 何を残してくれたのだろうか

DAY 42

人は、 特に男は…なのかは分からないが 映画などの刑務所受刑者の描写のように、 隔離されると、 筋トレ 筆記 読書 を望み出す。 もれなく私も 自然とそれを欲し始めた。 何も持ち合わせていない私には とりあえず筋トレしか出来なかったが ベッドの上で出来…

DAY 41

一人部屋の時は 食事が部屋の中まで 運ばれてくるスタイルだった。 部屋が変わって、 数人部屋体制になると 自分で受け取りにいくスタイルになった。 つまり入院当初は、 他人と接触が出来る状態かどうか…を 慎重に見られ 検討されている期間 ということだろ…

DAY 40

他人と会話をする気分にはならず、 ただ部屋の中で ただベッドの上で 生きていた。 幸いにも 空いた隣のベッドに人は入らず、 もう一人の人も 無口な人だった。 聞こえてくるのは、 来た当初に聞こえた おばあさんの声が 遠く、とても遠くから。 それと、 近…

DAY 39

静まり返った部屋の中で、 不意に大きな音が鳴るというのは なかなかのストレスで これが人間の声であり、行動であると なおさら辛かった。 2日目で 「これはシンドい…」と 看護師さんに相談しようか考えた時、 その音の主の隣人に 部屋移動の手配がされ始…

DAY 38

「こういう病棟に居たんだな…」 そう思いながら歩き、 階段を上り、 そして、新しい部屋に通される。 3人部屋だった。 隣の人は、明らかに挙動不審が 全面に出ている人で 不意に独り言を怒鳴った。 一人 無音だった部屋から、 音が突然鳴る世界に移動してき…

DAY 37

部屋の移動が告げられる。 一人部屋の孤独とは ここでお別れとなる。 部屋の外に出て、 初めて通路 を知る。 思えば、 「自分が今、どんな建物の中に居て その現在地まで辿り着く道筋を知らない」 なんて経験は、 普通はしない。 それは ペットが買われ、ケ…

DAY 36

外界を知らない、知れないことが 私には心地良かった。 孤独を好むか嫌うか、の 違いかも知れない。 私自身、 どんな状況でも 誰とでも 明るく振る舞える…スキルを持つ。 場を和ますことも 人前に立つことも 堂々と振る舞える…スキルを持つ。 そうして生きて…

DAY 35

ずっと一人… のようで、 必ず看護師さんは来て バイタルチェックをしに来る。 それと 清掃などの介護士さん。 人は不思議なもので どんな環境でも慣れていき、 少しの接点でも 人を覚え、緊張感が消えていく。 良く考えてみれば、 患者を受け入れる、あちら…

DAY 34

死にたい と熱望するわけじゃない。 死ぬことが正しい と思う。 これについては 入院を通して変わることはなかった。 この白い部屋に居た時までは 特にそれは強く、 誰とも接することの無い 現実感の無い 冷たい空間が 「生きているとも死んでいるとも言えな…

DAY 33

主治医は 毎日来てくれるわけではなく、 時折、様子見…で来ているような 気がした。 とにかく私はもう 精神的に「上がる」ことの無い状態 だったから、 『落ち着いている』と判断され、 日中はドアの鍵を外され、 『部屋から出ても構わない』とされた。 しか…