消えたい は 消えない

鬱 うつ 病のリハビリのような 意味のあるような無いような

DAY 16

目が覚めた時の記憶は、

薄暗いベージュ色の世界で

 

息苦しさと共に

手首の痛みに気付いた。

 

 

現状把握に

しばらく時間が掛かったけれど、

 

「拘束されてんだな、これ」と

納得と憤りに包まれた。

 

 

右を向いた側の壁の

ご丁寧に

ちょうど読める位置に、

 

「あなたを拘束しました」ってことを

堅苦しく記載した紙が貼ってあった。

 

 

視力の良い私が

かろうじて読める距離だった。

そのぐらい

両側の壁から離れた ちょうど真ん中に

私のベッドだけがあった。

窓は無い。

 

 

時間が分からないことが苦痛に感じた。

 

ここがどこで、今が何時で

あれからどれだけ経ったのか全く分からない。

 

そして目が冴えて

拘束具で固定されて動けないストレスに

襲われ始める。

 

予想以上に拘束具は辛いものだった。

しかも腕の締めがキツくて

ただ普通にしていても痛みが増していった。

 

 

目線を下げた足元の先の

離れた場所にドアはあって

その上に監視カメラはあった。

 

そしてどこからか

おかしな叫び声らしき音も聞こえ始めた。

 

 

とりあえず

この部屋の外側のどこかには

人は居るだろうと思えた。

 

 

腕の痛みに耐えられず私は

声を上げて誰かを呼んでみることにした。