DAY 26
蓋の無い便器、
その真上に監視カメラ。
トイレをしているのが見られている感は
あまり気分の良いものではなかった
…けど、
「まぁ…別にどうでもいいや」と
変に環境に満足していた。
ただ、大きい方をして
拭いた後の手を
「どうしてもハンドソープなり石鹸で
洗わせてくれ」と懇願した。
神経質な人間は
どこでも生きづらい。
ドアを開けてすぐのミニスペースに
洗面台があり、
その時だけ、そこまでは行かせてもらえた。
その先の外の世界は見えない。
ただ、ミニスペースを共有して
隣にも部屋があることを知った。
そして
時々聞こえる叫び声が
隣のおばあさんらしいことを知る。
叫び声は
自分が精神科病棟にいることを
十分認識させてくれた。